エンジニアリングマネージャーが1 on 1でやらないほうがいいこと5ヶ条

[KINTO Technologies Advent Calendar 2021 - Qiita] の3日目の記事です。

 

みなさん、こんにちは。

私、エンジニアリングマネージャーを6年ほどやっております。

 

エンジニアリングマネージャーにとって1 on 1ミーティングはメンバーの心理的安全性を高めるためにも必要なプロセスです。メンバーの調子を確認したり、メンバーが何か困りごとを抱えているようであればそれを解決するサポートをしてあげたり、といろいろ1 on 1ミーティングは役に立つことがあります。

ただ、効果的に実施しないと逆に喧嘩の火種にもなったりすることがあります。

そこで、経験上僕がこれはやらないほうがいいと思っている5ヶ条を書き出してみました。

 

1.対面に座らない

就職の面接や重要な打ち合わせなど、2人でオフィシャルな場で話すとなると、面と向かって座ることが多いと思います。

しかし、ちょっと思い返してほしいのですが、対面で座った人があなたに反対意見を言ってきたりしたケースがありませんか。

 

正対して向き合うのは、競争・対立を生み出しやすいといわれ、1 on 1の際には避けた方がいいと言われています。

これは、心理学の研究などでも実証されており、「スティンザー効果」として知られています。

僕が1 on 1を実施する際は、意識して相手の斜め前、または隣に座るようにしています。もし相手が僕と正対して座ってきた場合も、わざと席をずらしたりして正対の位置を避けています。

 

最近はリモートで1 on 1を実施することも増えていますが、リモートでも正対するのは余計な緊張感を生んでしまい、あまり上手な1 on 1をしているとは言いがたく感じます。

リモートでも体を正面に向けない、もしくはいっそのことカメラをOFFにする、といった工夫をすることによって、より効果的な1 on 1が実施できるのではないかと思います。

 

 

2.アジェンダは作らない

 

1 on 1ミーティングで、目標実現のために何をすべきか考えよう、といった具合に事前にアジェンダを作ってきたり、または提出を求めてくるマネージャーもいらっしゃいます。

僕はあえてアジェンダは作らず、その日相手が話したいことを中心に話を進めようと思って1 on 1に臨んでいます。

 

よく言われることですが、1 on 1は課題を解決するのが主目的ではなく、「何でも話していいんだ」と思える関係づくりをすることが主目的だと僕は考えています。

なので、アジェンダを作ってかっちり実施するよりは、多少緩くなっても構わないので相手の好きなことを喋ってもらって、それを傾聴し、「それで?」「それから?」と相槌や質問をはさんで会話を深化させるほうが、主目的に近づけているような気がします。

 

もちろん、あなたが何か尋ねたいことがある場合には、それを箇条書き程度にまとめておくのは、むしろそれはやるべきです。その場合あなたから尋ねたいことをはじめに全部尋ねた上で、残りの時間を相手に任せるのがいいかと思います。

 

3.週1回にこだわらない

 

1 on 1ミーティングの実践本などを読むと、週1回以上が望ましいとよく書いてあります。

ですが、メンバーが多くてとても週1回なんて回らない、とか、1 on 1なんかするよりももっと他のことで忙しい、という方もいらっしゃると思います。

僕が思うに、回数には特にこだわらない方がいいんじゃないかと思います。週1回でなくとも、月1回でも実施できれば良いんではないかと思います。

 

肝心なのは、不定期にやるのではなく、定期的に1 on 1を実施する、ということです。

それにより、メンバーは、ちゃんと継続的に話を聞いてくれるという安心感を覚えますし、次の1 on 1のときにあのことを話してみようか、などといった計画も立てやすくなります。

 

スケジュールを予約する際にも、1 on 1ミーティングタイトルの頭に「週次」や「月次」など開催頻度をつけてあげると、お互い「この予定は定期的に開催されるんだな」ということが共有できて良いかと思います。

 

4.メンバーには1 on 1の会議予約をさせない

「なんでも話聞くから気軽に声かけてね」と言うマネージャーも多いと思いますが、メンバーにしてみると「気軽にと言われても・・・」「話聞いてもらうなら近くの先輩に話すからいいです」などの声も見受けられます。(僕もそうでした。)

また、忙しくなったため、メンバーに1 on 1の会議の予約を入れておいて、と頼んだりしたけど、結局メンバーも忙しかったりして、リスケの連続だったり最悪開催されないまま終わってしまう、といった経験のあるマネージャーもいるのではないでしょうか。

 

やはり1 on 1の会議予約はマネージャー側がするべきです。その方が「定期的に1 on 1やりますよ」というメッセージにもなりますし、マネージャーが1 on 1を実施するという意志を持っていれば開催されずに終わってしまうということは少ないと思います。

また現実問題として、メンバーとマネージャーを比較すると、マネージャーのほうがスケジュールが埋まりがちということもありますね。

 

5.あえて会議室は取らない

大事なミーティングの際は会議室を予約して話が漏れないようにするのは必要だと思います。

しかし軽い1 on 1ミーティングなどの場合、あえて会議室は取らず、オープンスペースなどで実施するのもアリなのではないでしょうか。

実際、会議室の予約が満杯のため仕方なくオープンスペースで実施したが、通常と雰囲気が変わって普段では話せないようなことも話せたという経験はよく聞きますし、僕もそういう経験があります。

 

オープンスペースだと聞かれたくないような話ができないとも言いますが、フロアを変えてみる、あるいは会社を離れてみる、など普段働いている場所から離れてしまえば、それほど気にならなくなります。

僕個人としては、近くのカフェに行ってみるのをおすすめします。「そんなのを注文するんだ?」など新しい会話の糸口が見つかりますし、雰囲気が変わって新鮮な気持ちで1 on 1に臨めます。

 

以上、1 on 1ミーティングでやらないほうがいいことを書いてみましたが、まとめると、

 

・定期的に話す機会があるということを相手に分かってもらう

・座る位置、姿勢などを工夫し、相手にリラックスしてもらえるように努める

 

ということになるでしょうか。

 

また機会があればエンジニアリングマネージャーの仕事についても触れたいと思います!

ありがとうございました。

 

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